転載・編集/℃-ute 須磨パティオイベ

今日俺は生まれて初めて野外で宿泊した。
ベンチでの寝心地は良いとは言えず、しょっちゅう目を覚ますことになったが、それでも初めての場所で初めての宿泊手段をとったにもかかわらず無事に朝をむかえた自分を、俺は少し誇らしく思えた。
ただ、朝の通勤・通学で須磨パティオを通り抜ける人々は俺のことを軽蔑という感情で見ているようだった。


今回の整理券の最高順番は132だったわけだが、実は100番くらいまでの人たちは前方の座席(立ち見禁止) に収められたのでかなり見やすかった。
また、公開録音ということもあって、内容はかなり充実したものだった。(バラエティー番組を観覧しているみたいだった)。


それでも、今日のイベに対する俺の素直な感想は「疲れた」だ。だってイベが始まる1時間以上前から37度の炎天下で突っ立ったままで待たされたんだもん! そりゃ疲れるよ。イベ前からテンション落ちますよ。しかも、俺は出だしの1曲目で振りを間違えた。明らかに練習不足からくる初歩的なミスだった。これでおとなしくなった俺は一度も叫ぶことなくイベを終えた。


さらにムカついたのは握手会の進行担当のおっさんだ。
握手会というものは基本的には1回の公演につき1人1回というものだが、実際は複数回握手できることが多い。
CDを複数買えばその分複数の握手券がもらえるので、握手を終えた後にまた客席に入り直せばいいからだ。
今回のイベも、イベを客席外から観覧しても最後の握手会のときに客席に入ってくることができることになっていた。
だから多くのヲタたちが良席と複数握手を求めてたくさんのCDを買っていった。(10枚以上というツワモノもいる!)
それなのに、進行のおっさんが握手会中に突然「もうすぐ客席に入ることを禁止します」と言い出したのだ。
この時点で少しはプチッと来たが、それでも俺はスタッフの制止をものともせずに強行突破するつもりだった。1年半前の広島ベリイベのように。
しかしそれは叶わなかった。俺と同様に強行突破を図ったヲタが進行のおっさんに現行犯逮捕されたからだ。
まさかと思った。
そのヲタが強行突破した瞬間、おっさんはマイクを握りしめてこう言った。
「おい!!いま入ったやつ!!卑怯な真似すんじゃねぇ!!すぐに出ていけ!!」
ヲタでもアイドルでもないおっさんが一番目立っていた。おっさんのマイクパフォーマンスはまさにプロレスラーさながらだった。
確かによく見ると、おっさんの髪型は武藤敬司を意識していた。


このようなわけで俺は3回しか握手をすることができなかった。(3回でも満足できるけどね) だから今でも俺のポケットの中には、俺の情熱でぐちゃぐちゃになった紙製の整理券(132)が眠っている。


こうネガティブなことばかり書いていると、俺がイベを楽しめなかったみたいに見えるが、そんなことはないと思う。出待ちのとき、俺が「舞美!」とやさしく声をかけると、舞美がにっこりと微笑んで俺に手を振ってくれたのはとてもうれしかった。それでも今日天国に逝けなかったのには理由があるように思う。


1.暑すぎた
2.周りのヲタがうざかった
3.ときめくことがなかったという3つの理由だ。
特に3.はかなり重要なことで、ときめくためにイベに行っていると言っても過言ではない俺にとってはけっこう残念だった。ただこれについては明らかに自分に問題があるから誰のせいにもできない。要するに、俺は舞美のことを好きにはなっていなかったということだ。こんなあまい気持ちで神戸まで来たことは反省しないとな。